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東京高等裁判所 昭和22年(ナ)43号 判決

原告

鈴木利男

外一名

被告

埼玉縣選擧管理委員會

主文

原告の請求はこれを棄却する。

訴訟費用は原告兩名の負擔とする。

請求の趣旨

昭和二十二年四月三十日執行の川越市會議員選擧の效力に關し原告兩名外十八名が爲した異議申立につき、同年五月二十二日同市選擧管理委員會が爲した決定、及び該決定に對し原告兩名が爲した訴願につき、同年七月四日被告が爲した裁決は、孰れもこれを取消す。右選擧はこれを無效とする。訴訟費用は被告の負擔とする。

事實

原告等訴訟代理人は、本案前の主張として、

被告訴訟代理人辯護士古井喜實は、元内務次官の職に在つて、公職追放の覺書該當者としての指定を受けた者であるから、同人が本件のような訴訟につき、公職である被告を代理して訴訟行爲を爲すことは、公職追放に關する法令、殊に昭和二十三年政令第三十二號の趣旨に違反するから、その範圍において同人は辯護士の職務を行うことはできない。從つて、本件において同人は訴訟代理權なく、同人が本件で爲した訴訟行爲は無效であると述べ、本件に關し、川越市會議員の選擧は昭和二十二年四月三十日執行されたのであるが、右選擧における有權者數は二萬六千四百八人、投票總數は二萬千二百八十八票、内有效投票の數は二萬九百二十六票、無效投票の數は三百五十二票、議員の定數は三十人、議員候補者及びその各自の得票數は別表第一記載の通りである。

(一) ところが、右選擧における各投票所に豫め配付された投票用紙の殘り千枚は、遲くとも昭和二十二年四月二十九日朝迄に、川越市役所内の市會議長室において、盜難の爲め紛失した。右紛失したものの内十四枚は、川越市會議員選擧管理委員會(同市選擧管理委員會の前身以下同じ)が囘收したが、その餘の九百八十六枚は行方不明のまま右選擧の投票が行はれた。

(二) 而して同委員會は、盜難を免れた投票用紙に川越市内の櫻井理助經營の印刷所から入手した「川越なる二宇を押捺し、これを以つて成規の投票用紙と爲し、同日午後十一時、その旨同市役所前の掲示場に告示し、右選擧に使用した。この「川越」なる活字は、市中で何人も容易に入手し得るものであるから、右紛失した投票用紙にかかる活宇を押捺し、成規のものと見分けのつかないものに僞造することは容易である。

(三) 右選擧終了後選擧事務に携つた同市吏員山崎、小林、若林の三名は、殘つた投票用紙を自宅に持ち歸つた。

(四) 同年五月二日原告等は殘存投票用紙の數字の公開を前記委員會に求めたが、不明であるとの理由で右申出を拒絶された。

即ち本件選擧終了直後、殘存投票用紙の枚數が確認されていなかつたのである。以上(一)乃至(四)の各事實を綜合して考えるに、右行方不明の投票用紙の内、少くともその或部分が本件選擧に不正に使用されたことが推認できる。而して右不正使用の事實は、別表第一に示す選擧の結果に異動を及ぼす虞があること明白であるから、本件の選擧は無效であると言わなければならない。

然るに、右選擧に關し、原告兩名外十八名がこれを無效とし、川越市選擧管理委員會に異議申立を爲したところ、同委員會は昭和二十二年五月二十二日これを排斥する旨の決定を爲し、原告兩名はこれを不服とし、更に被告に訴願したところ、被告も亦同年七月四日これを排斥する旨の裁決を爲したのは不當であるから、その取消を求めるため、本訴に及んだものである。

尚、被告の主張する「川越」の二字の活字の押捺してない投票の發見及びこれが歸屬に關する事實は否認すると附陳した。

被告訴訟代理人は本案前の原告の主張に對し、

被告訴訟代理人古井喜實が、元内務次官の職に在つたこと、及び同人が公職追放の假指定を受け、所定期間内に異議の申立をしなかつた結果公職追放の覺書該當者としての指定を受けたものと看做されたことは孰れも認める。然し、同人が辯護士として公職である被告より本件訴訟事務を受任し、その訴訟代理人として訴訟行爲を爲すことは追放令に違反せず、從つて同人は適法に代理權を有するものであつて、同人が本件において爲した訴訟行爲は有效であると述べ、本案の答辯として、原告等の請求を棄却する、との判決を求め、原告等の主張事實中、川越市曾議員選擧が原告等主張の日に執行されたこと、右選擧における有權者數、投票總數、有效投票數、無效投票數、議員の定數、議員候補者及びその各自の得票數が原告等主張の通りであること、右選擧の投票日前に各投票所に豫め配付された殘りの若干の投票用紙が紛失し、その中十四枚が囘收されたこと、川越市會議員選擧管理委員會が、選擧の前日原告等主張のように投票用紙の樣式を變更し、その旨告示し、その用紙を選擧の日使用したこと、原告等主張のような異議の申立、その決定、訴願及びその裁決が爲されたことはこれを認めるけれども、投票用紙の紛失の原因が盜難であること、紛失の枚數が原告等主張のようなものであること、投票用紙の樣式變更の告示が原告等主張の時刻であること、原告等主張の川越市の吏員がその主張の如く投票用紙の殘部を自宅に持ち歸つたこと、原告等が前記川越市會議員選擧管理委員會に殘投票用紙の數の公開を求め、その主張のような理由で拒絶せられたことは孰れもこれを爭う。

(一) 紛失した投票用紙については次のことが言ひ得る。即ち當初印刷所から納入された用紙の數は二萬六千二百枚で、本件選擧に使用した用紙の數は二萬千二百九十枚(内投票數は二萬千二百八十八枚、書損の數は二枚)であるから、差引き四千九百十枚殘るべき筈である。然るに、現存殘紙の數は四千七百七十枚に過ぎないから、百四十枚の不足を生ずる。ところが本件選擧の前日紛失した用紙中囘收され、破棄されたものが十四枚あるから、これを差引けば不足のものは百二十六枚となる。然し投票用紙調製の際、印刷の不鮮明、用紙の不備の爲め使用し難いもの凡そ千枚につき四、五枚あり。これを破棄したから、そのものを右の割合で計算し差引けば、結局囘收未濟のものは皆無か若しあつたとしても多くて二十枚前後となる。

(二) 投票用紙の樣式を變更したのは、川越市會議員選擧管理委員會がその權限に基いてこれを爲したのであつて、同委員會が採つた措置は法律上何等差支がないばかりでなく、本件のような場合、不正投票を防止する爲め、有效適切なものと言わなければならない。寧ろこれによつて不正投票が行はれなかつたことが推認される。

(三) 川越市會議員選擧管理委員會が殘存投票用紙の數を公開しなかつたとしても、これを以て違法とする理由なく、右事實は必ずしも直に殘存用紙の數が確認されないことにはならない。尤も被告が本件選擧における投票を調査した結果、有效投票とせられたものの中に、川越市會議員選擧管理委員會で定めた「川越」の二字の活字の押捺せられて居ないもの九票を發見したが、その九票の各候補者えの歸屬は別表第二記載の通りであつて、選擧の結果に異動を及ぼすものでないから、これを以ても本件選擧を無效とするに足らない。と述べた。

證據として、原告訴訟代理人は、甲第一乃至第四號證、第五號證の一、二、第六乃至第十一號證を提出し、證人山本與作、松本倉吉、村瀨守保、深見一郞、間仁田喜一郞、櫻井理助、竹内榮吉、小山三省、浪江重治郞の各證言、原告兩名本人の陳述及び檢證の結果を援用し、乙第一號證の成立を認めた。

被告訴訟代理人は乙第一號證を提出し、證人山本與作、松本倉吉、村瀨守保、深見一郞、間仁田喜一郞、櫻井理助、竹内榮吉、小山三省、伊藤泰吉、沼田〓三郞、淸水仁藏、長島友二郞の各證言及び檢證の結果を援用し、甲第一、第二號證、第六乃至第十一號證の各成立を認め、その餘の甲號各證の成立は知らない。と述べた。

理由

先づ被告の訴訟代理人辯護士古井喜美が本件について、訴訟代理權を有して居ないかどうかを判斷する。辯護士古井喜美が、昭和二十二年一月四日勅令第一號(その後の改正を含み、以下これを公職追放令とゆう)によつて、所謂覺書該當者としての指定を受けたものと看做されたことは、同人の認めるところであるが、同人が辯護士として、本件のような選擧訴訟について、被告である埼玉縣選擧管理委員會の委員長から委任を受け、訴訟代理人として訴訟行爲を爲すことは、辯護士本來の事務を行うものであつて、公職追放令の各條項及びその精神に反するものでない。固より公職追放令は、覺書該當者が公職に在る者に對して、その職務の執行又は政治上の活動に關し、指示を與え勸獎を爲し、その他公職にあるものをして、自己に代つて、その支配を繼續するような行爲をさせることを禁止し、その他にも覺書該當者の行爲を禁止する規定を設けて居る(昭和二十三年勅令第三十二號によつて改正せられた部分も含む)から、覺書該當者としての指定を受けた辯護士が訴訟代理人としてその任務を遂行するに際し、公職追放令違反と目される行爲を爲した場合は、これが爲め處罰等の處分を受けることがあり得ることは考へられる。然しながら、「覺書該當者である辯護士が、單に選擧管理委員會の委員長等公職に在るものから訴訟委任を受けて訴訟行爲を爲すること自體が、公職追放令違反となり、その訴訟代理權を否定せられることにはならないのである。」從つて、原告等主張のような理由で、被告の訴訟代理人古井喜美に、訴訟代理權がないとすることを得ない。

よつて本案について判斷する。

昭和二十二年四月三十日、川越市會議員選擧が執行されたこと、その選擧に於ける有權者數、投票總數、有效投票數、無效投票數、議員の定數、議員候補者及び各自の得票數が原告等主張の通りであること、右選擧に際し各投票所に豫め配付された投票用紙の殘りが、遲くとも選擧の前日である四月二十九日の朝までに紛失したこと、及び原告等主張のような異議の申立、その決定、訴願並にその裁決が爲されたことは、當事者間に爭ないところである。

原告等は右紛失の原因が盜難であり、その枚數は千枚であると主張するけれども、この點に關する證人松本倉吉、村瀨守保、深見一郞の各證言、原告兩名各本人の陳述、及び甲第三、第四號證、第五號證一、二は當裁判所の採用せざるところであり、その他の證據によつては右事實を認定し得ないのである。尤も、甲第七號證(昭和二十二年五月六日の埼玉新聞)には埼玉縣地方課の談として「投票用紙紛失の問題について四月二十九日川越市選擧管理委員會から縣地方課に對し投票用紙約千枚が風に吹き飛ばされたらしく紛失したので、その善處方について電話連絡があつた……」との趣旨の記載があるけれども、證人淸水仁藏の證言及び辯論の全趣旨によれば、右電話連絡をしたのは當時右市會議員の選擧事務に携さわつて居た同證人であつたこと、紛失用紙數を約千枚と報告したのは、その前日各投票所に配布した投票用紙の數を記載した書面に基いて計算した概算であること、及び後日第六投票所に右の書面に記載した數より千枚多く投票用紙が配布されて居た爲め、右約千枚紛失の報告が結果において誤りであつたことが認定出來るから、右甲第七號に前記のような記載かあるからと云つて、紛失投票用紙數を千枚と斷定し得ない。却つて證人浪江重治郞、沼田〓三郞、長島友二郞の各證言及び檢證の結果を綜合すれば、投票用紙を各投票所に配布したのは選擧の前々日である四月二十八日であり、その殘用紙は長島友二郞において川越市役所市會議長室の机の中に或部分を、その上に他の部分を仕舞い(右用紙は千枚束となつて居らない)、室の鍵を施して歸宅したこと、翌二十九日朝は相當の強風であり、當時川越市會議員選擧管理委員會の書記をして居た浪江重治郞が、投票用紙の屋外に飛散して居ることを小使より知らされ、市會議長室に行つて見た際は、開閉不完全で紐で締りをして居た硝子戸が内外にパタ〓して居たこと、窓硝子の破損の箇所も二、三あつて風が吹き込み居たこと、投票殘用紙が右室内のみならず屋外にも散在して居たこと、及び前記長島が二十九日午前八時過ぎ自ら保管して居た鍵を以つて右議長室を最初に開けたものであることが明であり、右事實に照せば「投票殘用紙紛失の原因は風の爲め右開閉不完全な硝子戸のある窓から屋外に飛散するに至つた爲めであると推認ずるに難くない。」尚、證人浪江重治郞、長島友二郞、櫻井理助の各證言に徴すれば、本件選擧の投票用紙は川越市内櫻井理助の經營する印刷所で印刷し、川越市會議員選擧管理委員會に納入されたものであつて、その數二萬六千二百枚、内選擧に使用せられたもの二萬千二百九十枚(内二枚は書損)、紛失の時に於ける殘存用紙の數四千七百六十七枚であること明であり、從つて、殘存用紙の不足數は差引計算上百四十三枚となること及び前記紛失當日屋外等に散亂紛失したもので右委員會に囘收されたもの十七枚あり(但し内十四枚は汚損した爲め破棄)、且つ印刷した儘の用紙に川越市の印を押して投票用紙を調製する際、印刷の不鮮明その他の理由で破棄されたもの相當數あること明であるから、これ等のものを右不足數百四十三枚より差引き結局、選擧當日行方不明の投票用紙は計算上多くて百二十六枚又はそれ以下であることが認定し得らるる。右認定に反する證人山本與作、松本倉吉、村瀨守保の各證言及び原告大月豪の陳述は措信しない。

右のような事態が生じたので、川越市會議員選擧管理委員會は即日投票用紙の樣式を變更し、投票用紙に「川越」の二字を加えたものを成規のものと定めてその旨告示し、川越市内の櫻井理助經營の印刷所から入手した活字により投票用紙に「川越」の二字を加え、これを選擧に使用したことは當事者間に爭ないところである。原告等は右の告示は同日午後十一時に爲されたものであり、「川越」なる活字は何人も容易に入手し得るものであるから、之を使用して成規のものと見分けのつかないように僞造することは容易であると主張するけれども、證人竹内榮吉、沼田〓三郞、淸水仁藏の各證言によれば、投票用紙の樣式を右のように變更したのは、紛失した用紙中未囘收のものあることを慮り、それによる不正を防止する措置として爲されたものであつて、様式變更の告示は同日午後九時川越市役所の掲示場に爲されたものであることが認められる(右認定に反する證人山本與作、松本倉吉、深見一郞の各證言及び原告大月豪の陳述は採用しない。)從つて、「右告示は一般的に見て決して適當なものとは云ひ難いけれども、選擧を翌日に控えた川越市會議員選擧管理委員會の措置としてこれを違法とすべき理由がない。尚原告等の主張するような事實に基いて投票用紙の僞造等不正使用の可能は存するけれども、それが僞造等不正使用を推定せしめる事實となる爲めには、紛失した投票用紙が不正の目的で何人かの手中に存した具體的な事實が前提とならなければならない。」然るに、この點に關する證人間仁田喜一郞の證言は遽に信を措き難く、その他如何なる證據によるも右前提事實を認定し得ないのであるから、原告等主張の事實は僞造等不正使用の事實を推定すべき事實の一としても採用し得ないのである。原告等は右選擧終了後選擧事務に携つた同市吏員山崎、小林、若林の三名が、殘つた投票用紙を自宅に持ち歸つたと主張して居たけれども、證人沼田〓三郞の證言及び辯論の全趣旨によれば、投票用紙を持ち歸つたのは山崎だけであり(外二名は持ち歸らなかつた)、同人は翌日之を川越市會議員選擧管理委員會に持つて來たことが、明であるばかりでなく投票録に書いてある殘投票用紙數と受拂計算書に書いてある數と、山崎が持ち歸つた殘用紙數とを照合して異状がなかつたことが明である。右認定に反する證人浪江重治郞の證言は採用しない。而して證人浪江重治郞の證言によれば、川越市會議員選擧管理委員會のある川越市役所と各投票所との距離の關係で、選擧終了後殘用紙を右委員會に持つて來ることが困難な場合は便宜自宅に持ち歸り、翌日右市役所に持參する慣例となつて居り、前記沼田證人の證言及び辯論の全趣旨によれば、右山崎もこの慣例に從つたものと推認し得られるけれども、右のような慣例は時に選擧関係者に疑惑を起させる餘地がないとしないから、將來は取り止むのが相當であると考へられる。原告等は右認定の殘投票用紙持歸りの事實を以つて紛失投票用紙不正使用を推定せしめる一の事實としているけれども、その間に何等の因果關係なく、原告等の主張は到底採用されない。

證人山本與作、松本倉吉、村瀨守保、小山三省、浪江重治郞の各證言及び原告鈴木利男の陳述によれば、昭和二十二年五月二日原告等が川越市會議員選擧管理委員會に殘存投票用紙の數字の公開を求めたのに對し、同委員會は右申出を拒絶したこと明であるけれども、右のような委員會が殘存投票用紙の數宇を公開しなければならない法規上の根據なく、且つ右小山、浪江、各證人の證言に徴すれば、當時埼玉縣廳に對する選擧に關する報告事項が多い爲め、之れ等に忙殺せられて殘存投票用紙の取調べが完了して居なかつた爲めであることが認められる。從つて、原告等の主張するように、右不公開の事實が紛失投票用紙の不正使用を推定せしめる一の事實となるものでない。

川越市會議員選擧に關し、その選擧會及び各開票分會を通して無效投票とせられたものの中に「川越」の二字の脱落して居た投票用紙を用いた投票があつたこと、有效投票とせられたものの中に同様のもの九票あつたことは成立に爭ない甲第一號證によつて認められ、これ等は何れも川越市選擧管理委員會で定めた投票用紙の様式に從はないものであるから、後者九票も前者二票同様これを無效とせざるを得ないのである。然しながら、右のような異式無效の投票が爲された原因が單なる様式變更の際に於ける事務上の過誤によるものであるか、原告等主張のような紛失投票用紙の不正使用によるものであるか、その他の原因に基くものであるかは遽に斷定は出來ないけれども、前にも説明した通り、紛失投票用紙が不正の目的で何人かの手中に歸したことについてさへ何等の證據がない本件にあつては、到底紛失投票用紙の不正使用の結果、右のような異式無效の投票が生じたものとは云ひ難いのである。而して、改めて無效投票とせらるる右九票の各候補者えの歸屬が別表第二記載の通りであることは亦甲第一號證によつて明であるが、之を當事者間に爭ない右各候補者の得票數(別表第一)より控除して見ても、選擧の結果に異動を及ぼすものではないこと明であるから、右無效投票九票の存することは、本件選擧を無效ならしめるものでない。

原告等の本件選擧を無效とする主張にして一もその理由ないこと上記の説示によつて明であるから、原告等の異議並に訴願においてその主張を容認しなかつた決定並に裁決は正當であつて、之を取消すべき理由がない。依つて、原告等の本訴請求を排斥し、訴訟費用の負擔につき民事訴訟法第八十九條、第九十三條を適用し、主文の通り判決する。

(山崎 新見 松田)

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